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「ブレイキング・バッド」シーズン3感想~まるで父子のような二人の関係

この記事はブレイキング・バッド」シーズン3第10~13話のネタバレを含んでいます。

(▼前回までの感想はこちら)

「ブレイキング・バッド」S3 #7~9感想。ハンクの愛しさと切なさと心強さと - 感想ブログ

伝説のハエ回

第10話はこのドラマには珍しく、ラボでウォルターとジェシーがハエに奮闘するというほぼワンシチュエーションのエピソードでした。放送当時は予算がなかったからだとか評価がいまいちだったらしいですが、ウォルターとジェシー二人が揃っている場面が好きな私としてはとても興味深く見ました。

ジェシーがブルー・メスをくすねていることに勘付いたウォルターは、ラボの外でジェシーに警告します。ラボの中は盗聴されているだろうから、ジェシーを守るためにそうしたんですね。そんな折に現れた一匹のハエ。仕留めようと奮闘する様がコメディータッチで最高に面白かった。ですが、あまりに捕まらないハエに固執するウォルターを見てジェシーは危惧します。というのも、ガンで死んだ叔母が晩年に人が変わったようにネズミの音に敏感になったことを思い出したから。叔母がそんな風になったのはガンが脳に転移していたせいだった、と語るジェシー。ウォルターは定期健診では何の問題もなかった、と言いますが10話の最後にハエの残像が見えていましたよね。やっぱりどこか悪いんじゃ…と思ってしまいました。ハエが何を意味しているのか、はっきりとは分からなかったですが二人の対処のしかたでそれぞれの性格が見えてくるのが面白かったです。

 

ジェーンの言葉

ジェシーは未だにジェーンのことが忘れられないんですね。そんなに好きだったんだ…。突然死んでしまったのと罪悪感で特別な存在になっているのもあり、切ないですね。

ジェーンの口紅がついた煙草の吸い殻を見て、二人で美術館に行ったことを思い出すジェシー。「同じドア」がモチーフばかりの絵をジェシーは馬鹿にして笑いますが、ジェーンは「彼女にとって特別なドアだったから何度も描いたの。同じドアだけど、時によってまるで違うドアに見える。すべてのことが一回だけでわかるならセックスだって一度だけでいいでしょ。だけど、毎日の繰り返しは? 夕日もいつも同じ夕日?」と言います。ジェーンのこと、最後のジャンキーかつ悪い女の印象が強く残ってたけど、ええ子やんけ…。この台詞、思わず涙ぐんでしまいました。

ジェーンのことで、ウォルターがジェシー"I'm sorry."と言う場面があってヒヤリとしました。言っちゃったら二人の関係はマジで終わるから、ウォルター、そこは墓場まで持っていこう?と思ってたらジェシーはそれを『お気の毒に』と受け取って「ありがとう」と応えるっていうね。余計に罪悪感が増す場面でした。『ごめんなさい』の意味もあるけどそっちもあったか…ダブルミーニングの妙。ここでもまたジェシーの素直さが引き立っていました…。もし、ジェシーが同じような状況に陥ったとしたら、と考えてしまいます。ウォルターはあそこでジェーンを見殺しにしたけれど、もしジェシーだったら例えそれが友人や自分の障害となるような人物でも、咄嗟に助けてしまうのではないかな。

 

スカイラーもまたブレイキング・バッド

ハンクの治療費にウォルターのお金を使うことに決めたスカイラー。お金の出どころをきちんとするためになんと自分がマネーロンダリングをすると言い出します。スカイラーは絶対に自分の手は汚さないタイプかと思っていたのですが、図太くなりましたね!ソウル弁護士にもダメ出しし始めてオノ・ヨーコ呼ばわりされているところに笑ってしまいました。サークルクラッシャー一歩手前じゃないですか。というか、職場では既にサークルクラッシャー的存在になってましたね。というかスカイラー、小説書くって話は一体どうなったんでしょう。経理がスゴイみたいなイメージもそんなにないし、今はウォルターの代わりに家族を守る方向で頑張ってほしい気もする。

そしてまだ正式には離婚届を出していなかったという衝撃事実も。すっかり離婚している風に振る舞っていたのはなんだったのか。人は変わっていくものだけど、ウォルターがまだスカイラーのことを愛しているのかも気になるところです。

 

ウォルターとジェシーの絆

シーズン3の最後はウォルターとジェシーの絆の強さが垣間見えた部分でした。

ゲイルには気の毒ですが、ウォルターがブルー・メスを作れる唯一の存在であり続ければ二番手はジェシーになるわけですから、ゲイルの存在が消えれば二人にとってこんなに都合がいいことはないわけで。

マイクに捕まりそうになったウォルターが「ジェシーの居場所を教えるから助けてくれ」と言ったときには心底がっかりしましたがそれも作戦だったなんて。その前にジェシーを助けたときの暴走っぷりといい、この電話のシーンといい、ウォルターが格好良すぎ。

出演者インタビューなどを見てみるとジェシー・ピンクマンはシーズン1で退場する予定だったらしいですが、殺されなくて本当に良かった。

 

▼シーズン3も最高でした

 

▼次の「ブレイキング・バッド」感想記事はこちら

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