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「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」(シーズン1)を最後まで見ました。
以下の感想はネタバレを含みますのでご注意ください。
▼前回までの感想はこちら
刑事が人間らしさを取り戻すまでの物語
見終わって、このドラマはミステリというよりも「ある刑事が人間らしさを取り戻すまでの物語」だと感じました。
ある刑事とは主人公の二人。ラストとマーティン。
対照的に描かれていた二人ですが、最後のほうではお互いによき理解者として協力します。
ラストは幼い娘を失った過去があり「人間なんて肉のかたまりでしかない」と思うまでの無神論者でした。
しかし、最後に犯人と対峙してラストはひどい怪我を負います。その死に目を見たのがきっかけとなって、あることに気付くのです。
回復したラストが語った言葉は
「自分という輪郭をなくしたときに、その下のほうには父の記憶、娘の愛があった。娘からの愛をこれほどなく強く感じた」というものでした。
「自分は、かつて自分が愛した人たちのうえに成り立っている」とも。
そして大粒の涙を流します。
愛なんてとっくに失くしたと思っていたのに、とてつもなく大きな愛が自分の底に眠っていたことに気付いたんですね。
一方、マーティンは離婚して離れ離れになった奥さんや娘たちがお見舞いにきたときにうれし涙を流します。マーティンもまた、大切な存在に気付いて、最初のほうとは別人のような晴れ晴れとした表情。
犯人の意図や過去は描かれない
真犯人のアジト、かなり不気味でした。かなりおどろおどろしい迷宮でラスト達を迎え撃ちます。
しかし、犯人の過去や思惑はそれほど描かれません。そこはちょっと不満でした。これまでずっと、17年くらいかけて追ってきたのに結局わからないままなのか…と。
とはいえ、これだけの女性や子供を犠牲にしてきた犯人なので、こういう複雑な過去がありました、それでおかしくなってしまいました、と描き切れない部分もあるかもしれませんが。
犯罪とはそういうものかもしれません。犯人の気持ちなんてそうそう理解できるものではなく、ただ残された結果をもとにあれこれ想像しているにすぎませんから。
生まれ変わったラストの続きが見たい
「TRUE DETECTIVE」のシーズン2にラストとマーティンは登場しないようです。全く別の刑事たちの物語だそうで、それもこれから視聴する予定です。
シーズン1の最後に生まれ変わったラストと、マーティンが私立探偵としてこれからどう事件に立ち向かっていくのか、とても見たい気持ちがありますが、それはこれから撮影されるのかどうかもわかりません。
とても面白いドラマであることは確かでした。