この記事は「ブレイキング・バッド」シーズン4 第6~10話のネタバレを含んでいます。
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ほんの小さなほころびが「ブレイキング・バッド」シーズン4 #1~5 - 感想ブログ
全てがひっくり返ったエピソード10
今までガス・フリングのことを「冷酷な独裁者」としか見ていなかったんですが、徐々に過去の背景が描かれるにつれて見方が変わってきました。
まず「あれ?」と思ったのは、まだ駆け出しの頃の若かりしガスが麻薬カルテルに仲間の化学者を殺されたときのこと。「お前のせいでこうなったんだ」と目の前で撃たれた仲間を見つめながら、静かに復讐を誓うガス。あれ?もしかして、ガスはずっと麻薬カルテルに復讐するためにここまでやってきてたの?ということは、ゲイルに「ウォルターが居なくてもクリスタル・メスを作れるか」と聞いたのは、ジェシーにそうさせたみたいにメキシコに連れて行くためだったのか…。だからゲイルを殺されたときにあんなに怒ったんですかね。「仲間の化学者を殺される」という過去のトラウマも呼び起こされて余計に腹が立ったんでしょう…。この仮定を踏まえてもう一度見直したいくらいですが、ガスはウォルターとジェシーを排除する気は元々なかったのでは…と思ってしまいますね。それを半ば確信したのは、エピソード10でジェシーを守ろうとしていたガスが動いていたからです。ただの駒であればあっさり見殺しにするはず。
この先また二転三転するのかもしれませんが、ガスが単なる大悪党ではなさそうというのが一番の衝撃でした。
ジェシーは今日も愛されている
もうすっかりジェシー推しになっている最近ですが、このあたりのジェシーの頑張りがスゴイ。ドラッグに逃げず、与えられた仕事を精一杯こなし、人の役に立とうとしている。ウォルターとの行き違いで「あんたのためにやったのにやっぱり信じてくれないんだ」と殴り合いになったところがまた泣けました。今までのことがあるから難しいかもだけど、ジェシーのことをもっと信じてあげてよウォルター。
ジェシーに殴られたウォルターが傷心しているのもまた泣き所でしたね。実の息子の前で思わず「…ジェシー」とうわごとを言ってしまうくらいに。これまでお互いに命を削って助け合ってきた二人だもの、そりゃ絆が強いのも頷ける…と二人の歴史を回想してしまうほど胸が痛むシーンでした。
ウォルターとジェシーが「父と息子」のような関係ならば、マイクとジェシーは「祖父と孫」のようでもありますね。マイクがジェシーのことを"kid"と呼ぶから尚更おじいちゃん…という気持ちに。純粋(単純)なジェシーを、マイクもガスも憎からず思い始めているのが伝わってくるのもいいですね。
第10話の最後も大活躍だったジェシー。ただ、マイクやガスとの絆が深まるのと反比例してウォルターと対立してしまわないか心配。言葉を尽くしても通じ合わないことってあるんですよね。悲しいことに。ウォルターは自分で見て考えたことしか信じないという頑固なところがあるから、話し合うにはハードルが高い相手だけど…。がんばれジェシー。
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