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【アップロード ~デジタルなあの世へようこそ】シーズン1の感想。人間って強欲ですね

Amazonオリジナルドラマの"UPLOAD"を見ました。

日本語のタイトルは

「アップロード ~デジタルなあの世へようこそ」

と、原題には無い副題がついています。

すこしでもググラビティを高めようという気合が感じられますね。

アップロードへようこそ

アップロードへようこそ

  • メディア: Prime Video
 

2020年7月現在、シーズン1(全10話)のみ配信されています。

シーズン2の制作も発表されているようです。

 

1エピソードにつき30分程度、わりとサクッと見れました。

シーズン1を見終わったので感想を書いていきます。ネタバレを含みますのでご注意ください。

感情移入が難しい

ドラマって、見ていくうちに人物に感情移入するのが醍醐味だと私は思っているのですが、この「アップロード」に至ってはどいつもこいつも自分勝手すぎてあまり感情移入できませんでした。

主人公その1の青年、ネイサンはなんかチャラチャラしてるハンサムボーイだし、主人公その2のノラに至っては、とにかく手癖が悪い

終盤に大活躍する「コードペン(タッチするとコードが見えて書き換えたりできる便利道具)」をIT部門の社員からいきなりしれっとスったのは本当にびっくりしました。しかもその社員に恨みがあるとかでなく、たまたま目の前にそれが刺さったポケットがあったから、スッと盗んだんですよ。いやいや、なんで???と。

他にもノラの手癖の悪さが見られた場面があり(イングリットの家でこっそりネイサンの遺品の箱を開けるだとか)、話が進むごとにだらしない女性だな……としか思えなくなってつらかったです。

シーズンの後半はほぼ上司であるルーシーの気持ちになって見てました。あ、またやってるわ……みたいな。

シーズン2制作決定発表の記事によると、次のシーズンはノラとネイサンの関係を中心に描くそうで……いやもうそこは十分ですよね。むしろシーズン1も、二人の恋愛模様を描きたいだけでしょ?と疑いたくなる無理やりなシーンがたくさんあってちょっとうんざりしました。

お泊り会

お泊り会

  • メディア: Prime Video
 

 逆に、最初は鼻持ちならなかったイングリッドが可愛く見えてきました。お金持ちで、正直で、愛情深い。ネイサンの姪っ子を家にお泊りさせたときも、なにか裏があるんじゃないかと思ってたら自分の髪型をくるくるパーマのお揃いにしてはしゃいでたし、普通にいい人でした。ネイサンもそれにはやく気づいて。イングリッドでいいじゃない。すごくネイサンのことを愛してるし。お金持ちだし。美人だし。ただ……シーズン1の最後……イングリッドは〇〇しちゃった、ということなんでしょうかね?

 

設定は面白いけどセキュリティ甘すぎ

主要人物に感情移入はできませんでしたが、死後の世界に脳が持つ記憶をすべてアップロードして永久に生きる、という設定はすごく面白かったです。

それも現代的で、課金をしないとグレードが低かったりギガが少なかったりというところが情報化社会の権化って感じ。

ただ、個人の記憶というものすごい超プライベートな情報を扱っているのにホライズン社のセキュリティー甘すぎませんか。

ノラが出会い系で知り合った男を「私はここで働いているのよ」と夜の職場(ほぼ無人)に連れてきたのはドン引きしました。

ゲートどれだけガバガバなのよ。警備員もいないし、セキュリティーチェックもないし。

あと後半はノラが職場のパソコンからだけじゃなくていつでもどこでもネイサンに電話かけたりVRでレイクビューへ現れたりしてましたね。どういう仕組みなんでしょうか。

レイクビューって、特定のデバイスか許可されたアカウントからしかアクセスできない場所かと思ってたんですけど。そうでないと有名人や犯罪者とかがアップロードになったときに安息の地にならないですよね。誰でも行けたら人気者は大変なことになっちゃう。

アップデート前夜

アップデート前夜

  • メディア: Prime Video
 

こういうのすべてを「こまけえことはいいんだよ」で済ませられるほどストーリーが面白ければいいんですけど、どうも気になっちゃって。神は細部に宿るんですよ。そういう細かいところから「あれ?」というのが積み重なると「続きはべつに見なくてもいいかな…」というところまでいっちゃうんですよ。

 

死後に関する選択

気になったのがアップロードに関する同意のところ。

死後をどうするかって、ものすごーーーーーく大事なことですよね。ドラマでもそこは描かれていて、ノラの父親は数年前に亡くなった妻を想ってアップロードは望まず、でもノラは「自分の幼少時を知っていて愛してくれる人がいなくなる恐怖」から父親にアップロードをさせたがっています。

ネイサンは不慮の事故でわけもわからないままイングリッドに泣き落されて署名してましたけども、そういうのってあらかじめ用意しておくべきものですよね…。臓器提供意思表示カードみたいなもんですよ。保険証の裏に本人が署名しておくとか。

結局のところ、アップロードしてでも生きていてほしいのは他者の願いがほとんどなんですよね。

元軍人のルークや億万長者のデヴィッド・チョークのように「この世でやり残したことをあの世で目いっぱい楽しみたい」という願いがあれば楽しめるところなんでしょうけど。

ただお金が尽きたときや本人が「もういいや」となったときに、どうなるのか怖いなぁ。そのときは二度目の死を味わうのでしょうか。バックアップをとっておくのかな。

 

まぁいろいろ気になるところはありまくりますが、こうして死生観について考える機会にもなったので面白かったです。シーズン2も配信されたら見てみようと思います。

5つ星

5つ星

  • メディア: Prime Video